森 咲樹の御茶BLOG「森Tea 百茶百想」アーカイブ

日本茶丸孝園の「深蒸し茶」② 亡くなった祖父に思いをはせて

驚いたことに、
KUSMI TEAの店舗では
抹茶と共に茶道の道具が売っていました。
パリのど真ん中で
まさか茶道の道具を見るなんて!
それもフランス旅で
衝撃的だったことの一つです。
フランス人やその他の国の人のほうが、
絶対に珍しい目で見ると思いますが、
日本人だからこそ、
パリのど真ん中に
茶道の道具があることが不思議で
ジロジロと観察してしまいました(笑)。
少しでも興味を持ってもらえているから、
道具も置いてくれているわけで、
これがもっと広まればいいなぁと
心の中で祈ってお店を出ました。
「日本茶」という
ザックリしたものだけではなく、
私の地元の名産「静岡茶」も!!
 
私の地元の名産と言っても、
自宅の周りにも、
育ってきた環境の中にも
茶畑が近くにないんですよ…。
実は、茶畑に行ったことが…
ないです(笑)。
 
遠足や校外学習で
行ったこともなければ、
実家がお茶屋さんっていう友達も
居なかったな〜。
あれれ?
静岡県にお家あるのになぁ〜(笑)。
 
野菜畑は沢山あります!
近所の人から野菜をおすそ分けして
頂くことは、しょっちゅう!
友人や近所の人から
茶を貰うことはないけれど
緑茶が大好きな祖父母のおかげで
緑茶は常に飲んでいたし、
新茶もよく飲んでいました。
今は天国にいる祖父が
いつも買ってきてくれました。

「咲樹ちゃん、お茶飲むかい?」

食後に、祖父母が
よく聞いてくれた言葉です。
新茶のときは、
更にニコニコしながら
お茶を淹れてくれました。
「じいじね〜、新茶、買ってきたんだよ!
美味しいよ!」って。
当たり前の会話だったのに。
今は、祖父からその言葉は
聞けなくなってしまったけれど、
祖母は相変わらず聞いてくれます。
 
「咲樹ちゃん、お茶飲む?」
 
飲むと答えると、
亡き祖父の湯のみと共に
お茶を淹れてくれます。
毎朝、祖父の湯のみも、
お茶を淹れた状態で、
リビングの祖父の定位置に
置いてあります。
そのお茶が減ることはないんだけど、
なんとなくそこに祖父が居る気がして。
 
最近は毎朝コーヒーばかり飲んでいて、
淹れてもらったお茶を
飲む機会が少なくなった気がします。
ペットボトルではよく飲んでいるけど、
湯のみに淹れた緑茶は久々だったかも。
久々に緑茶を淹れたら、
祖父との会話がフラッシュバックしました。

今度は私が、この「深蒸し茶」を
祖父母に淹れてあげよう。

「咲樹ね、オススメのお茶があるんだよ!
美味しいよ!」って。
 
勿論、祖父の分も。
そして、リビングの祖父の定位置に
湯のみを置いてあげよう。
 
緑茶は、私と祖父母を繋ぐ飲み物です。
そして、この「深蒸し茶」は、
私と祖父母を再度繋げてくれた
飲み物となりました(^^)